デメテル号最後の航海:最強キャラクターランキング
『デメテル号最後の航海』(原題:The Last Voyage of the Demeter)は、ブラム・ストーカーの名作小説『ドラキュラ』の一章「船長の日誌」を基にした2023年のホラー映画だ。嵐に翻弄される船内で、次々と乗組員が謎の存在に襲われ、絶望的なサバイバルが展開されるこの作品は、閉鎖空間での緊張感とドラキュラの圧倒的な恐怖が最大の見どころとなっている。
ここでは、映画『デメテル号最後の航海』に登場する主要キャラクターたちを、純粋な「最強さ」の観点からランキング形式で詳しく解説していく。最強の基準は、戦闘能力、耐久力、知略、ドラキュラに対する抵抗力、そして生き残りへの貢献度を総合的に考慮したものだ。ネタバレを避けられないので、未視聴の人は注意してほしい。
1位:ドラキュラ
当然ながら、圧倒的な1位はドラキュラそのものだ。
この映画でのドラキュラは、ほとんど言葉を発さず、純粋な怪物として描かれている。人間の乗組員を玩具のように狩り、夜ごと船内を徘徊し、誰一人として正面から対抗できない存在感を放つ。超人的な身体能力、飛行能力、霧やコウモリへの変身、傷の即時回復、そして人間を瞬時に支配する感染力。これらすべてが完璧に揃っている。
乗組員がどれだけ知恵を絞り、武器を手にしても、ドラキュラの前ではただの餌でしかない。最終的に船が目的地に着くまで、彼は目的をほぼ完全に達成してしまう。この映画における「最強」の定義そのものがドラキュラだと言えるだろう。彼がいなければ物語は成立しないし、彼が負けるビジョンは最後まで見えてこない。
2位:クレメンス(ドクター)
2位は船医のクレメンス(コーリー・ホーキンズ演じる)。
彼は身体能力も高く、知性も抜群に優れている。アフリカ系でハーバード教育を受けたという設定が、彼の冷静な判断力と観察眼を裏付けている。ドラキュラの存在に最初に気づき、その性質を科学的に分析し、対抗策を提案し続ける頭脳派でありながら、戦闘シーンでも勇敢に立ち回る。
火を使った攻撃や、十字架の効果を即座に理解するなど、適応力は乗組員の中でダントツだ。肉体的にも頑健で、何度も致命的な攻撃を受けながらも立ち上がる耐久力を見せた。もしクレメンスがいなければ、乗組員はもっと早く全滅していただろう。彼は「人間側で最もドラキュラに近い存在」であり、最強の人間キャラクターと言える。
3位:ヴォイチェック(船長)
3位はデメテル号の船長ヴォイチェック(デヴィッド・ダストマルチャン)。
長年の航海経験に裏打ちされたリーダーシップと、部下に対する責任感が強い。ドラキュラの脅威が明らかになっても、船を目的地まで届けるという使命を最後まで捨てない頑固さと精神力が武器だ。
戦闘能力自体はそれほど高くないが、船の操縦や危機管理の能力は一流で、乗組員をまとめ上げる存在として機能した。孫のために航海に出たという個人的な動機も、彼の行動に重みを与えている。最終的な選択も、船長としての誇りを体現したものだった。彼の存在がなければ、船はもっと早く制御不能になっていたはずだ。
4位:オルガルド
4位は若手の船員オルガルド(リアム・カニンガム)。
ベテランらしい冷静さと、戦闘での頼もしさが光る。武器の扱いに慣れており、ドラキュラの眷属と化した仲間に対しても果敢に立ち向かった。クレメンスと並んで、初期段階での抵抗の中心人物だった。
ただし、感情的になりやすい面があり、それが致命的なミスにつながってしまう。身体能力は高いが、クレメンスほどの知略や適応力はない。それでも、人間側の上位戦力として十分に機能していた。
5位:アンナ
5位は謎の女性アンナ(アイスリング・フランチョージ)。
彼女はドラキュラの「荷物」として船に運ばれていたが、物語後半で重要な役割を果たす。ドラキュラの血を定期的に与えられていたため、普通の人間よりも耐久力が高く、夜間の活動も可能だった。
覚醒後の彼女は、ドラキュラの性質を内部から知っており、対抗策のヒントを提供する。ただし、自ら戦う場面は少なく、身体能力もクレメンスやオルガルドに劣る。彼女の強さは「知識」と「耐性」に特化したもので、純粋な戦闘力では下位にくる。
6位以下:その他の乗組員(ヨーゼフ、トビン、ペトレスキーなど)
残りの乗組員たちは、ほぼ同列で最下位グループだ。
彼らはそれぞれ個性があり、ヨーゼフの純粋さやトビンの子供らしい恐怖、ペトレスキーの迷信深さなどが印象に残るが、ドラキュラの前ではほぼ一撃で倒されてしまう。武器を持って抵抗を試みても、効果はほとんどなく、感染して仲間を襲う側に回る者も多い。
特に早い段階で犠牲になった者たちは、戦力としてカウントするのも難しいレベルだ。彼らの存在は、ドラキュラの恐ろしさを引き立てるための背景に過ぎなかった。
総括
『デメテル号最後の航海』は、究極的には「どれだけ頑張ってもドラキュラには勝てない」という絶望の物語だ。だからこそ、最強ランキングの頂点に君臨するのはドラキュラただ一人で、人間たちはどれだけ優秀でも「相対的な強さ」でしかない。
それでも、クレメンスやヴォイチェックの抵抗は観客に希望と感動を与え、彼らの「人間らしい強さ」がこの映画の心臓部となっている。ドラキュラの圧倒的な力の前に散っていく乗組員たちの姿は、古典的なホラーの醍醐味を存分に味わわせてくれる。
