『28日後…』最強キャラクターランキング

『28日後…』最強キャラクターランキング

2002年に公開されたダニー・ボイル監督の傑作ホラー『28日後…』は、レイジ・ウイルスによって人類が崩壊した世界で、生存者たちの絶望的な闘いを描いた作品だ。この映画の魅力の一つは、感染者(Infected)と生存者たちの対比にある。感染者は超人的な速度と攻撃性を持ち、通常の人間を圧倒する存在だが、生存者側にも知恵や覚醒した暴力性で対抗するキャラクターがいる。ここでは、戦闘力、生存能力、精神的な強靭さ、作中で示された活躍を基準に、最強キャラクターをランキング形式で紹介する。基準は純粋な身体能力だけでなく、極限状況での適応力や殺傷能力も含む。

1位: ジム(キリアン・マーフィー)

間違いなく本作最強のキャラクターは主人公のジムだ。物語序盤は普通の自転車便配達員で、昏睡から目覚めたばかりの彼は無力に見える。しかし、仲間を失い、軍の基地で絶望的な状況に追い込まれる中で、驚異的な覚醒を見せる。クライマックスでは、軍人たちを次々と倒す姿が圧巻だ。一人を素手で目玉を抉り出し、もう一人を殴り続け、もう一人をナイフで刺すなど、感染者さながらの残虐さと持久力を発揮する。感染者に対しても冷静に回避し、Mailer(感染した兵士)を武器として利用する知恵も持つ。ジムは「人間の怒り」がウイルス以上に恐ろしいことを体現した存在で、生存者側でありながら最強の座に君臨する。

2位: 感染者(Infected)全体

個別の名前がない集団だが、感染者たちは純粋な戦闘力で言えば圧倒的に強い。ウイルス感染後、数秒で超人的な速度と力を持ち、理性のない純粋な攻撃性で相手を襲う。走る速度は人間の数倍、痛みを感じず、血や唾液で即座に感染させる能力は脅威そのもの。軍の基地を襲うシーンや、トンネルでの追跡シーンで見せるように、一人でも複数人を瞬時に倒す。弱点は飢餓で長期間生きられない点だが、短期戦なら無敵に近い。Mailerのような鎖で繋がれた感染兵士も、解放されれば無差別殺戮マシンになる。感染者たちは本作の恐怖の象徴であり、生存者たちが恐れる最大の敵だ。

3位: セリーナ(ナオミ・ハリス)

生存者の中では最も実践的で強い女性キャラクター。薬剤師として医療知識があり、序盤でジムを助け、感染者から冷静に逃げる判断力を発揮する。マチェーテを武器に感染者を素早く斬り倒す戦闘シーンは爽快で、ヘロインを即座に注射して冷静さを保つ精神力も凄い。感情を抑え、「生き残ることだけがすべて」と言い切る冷徹さは、極限世界での適応力を示している。ジムが覚醒する前はグループの事実上のリーダー格で、彼女がいなければジムは早々に死んでいただろう。弱点は感情の脆さだが、それでもトップクラスの強さだ。

4位: ヘンリー・ウェスト少佐(クリストファー・エクルストン)

イギリス軍の指揮官で、基地を統率するリーダー。直接的な戦闘シーンは少ないが、部下を厳しくコントロールし、感染者から基地を守り抜く戦略性が高い。銃器の扱いに長け、生存者を誘導するラジオ放送を維持するなど、組織的な強さを発揮する。しかし、女性を強制的に確保しようとする歪んだ計画が仇となり、ジムに倒される。個人戦より指揮官としての強みが目立つが、軍人としての訓練と冷静さが感染者世界での生存を可能にした点で上位にランクイン。

5位: フランク(ブレンダン・グリーソン)

タクシー運転手の父親で、ハンナの守護者。感染者から娘を守るための決断力と、車を運転して逃げる機動力が強い。スーパーで買い物をするようなユーモアと優しさを持ちつつ、感染の兆候が出たら即座に覚悟を決める精神的な強靭さがある。感染してしまったシーンは悲劇的だが、それまでグループを支えた存在感は大きい。戦闘力はセリーナほどではないが、家族愛から来るタフネスでこの順位。

6位: プライベート・メイラー(マーヴィン・キャンベル)

感染した兵士で、ウェスト少佐が観察のために鎖で繋いでいた。解放されると基地内で暴れ回り、複数の兵士を瞬殺する。感染者としての純粋な力が高く、ジムが彼を利用して反撃する鍵になる。個別の活躍は短いが、感染者の強さを象徴する存在。

7位: ハンナ(ミーガン・バーンズ)

少女だが、父親の死や過酷な状況を耐え抜く精神力がすごい。運転を即座に学び、グループの逃走を助ける。戦闘力は低いが、生存本能と適応力が将来性を示唆する。

このランキングは、身体能力だけでなく、物語での影響力や極限状況での成長を考慮したものだ。『28日後…』の真の恐怖は感染者ではなく、人間の中に潜む「怒り」の力にある。ジムのように覚醒した人間が、感染者を上回る最強の存在になる点が、この作品の深みだ。ゾンビ映画の定番を覆した名作として、今なお色褪せない魅力がある。

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