ミスターカーとテンプル騎士団の謎:最強ランキング
テンプル騎士団(Knights Templar)は、中世ヨーロッパ史上最も伝説的な騎士修道会の一つだ。1119年頃にエルサレムで創設され、聖地巡礼者の保護を目的に始まったこの組織は、わずか200年足らずで驚異的な富と権力を手に入れ、ヨーロッパ全土にネットワークを広げた。しかし1307年、フランス王フィリップ4世による突然の弾圧で壊滅し、指導者たちは異端として火刑に処された。以降、テンプル騎士団は無数の陰謀論や秘宝伝説の中心に置かれ続けている。
そんなテンプル騎士団の謎に挑む現代の探求者たちの中で、ひときわ異彩を放つ存在が「ミスターカー」だ。彼は日本の謎解きコミュニティで知られる人物で、テンプル騎士団に関する独自の理論を展開し続けている。ここでは、ミスターカーの主張や考察を軸に、テンプル騎士団の「最強ランキング」を独自の視点でまとめてみる。このランキングは、騎士団の歴史的影響力、戦闘力、経済力、神秘性、そして現代に残る伝説の強さを基準にしている。
1位:聖杯伝説の守護者としてのテンプル騎士団
ミスターカーが最も強く主張するのが、テンプル騎士団が「聖杯」の真の守護者だったという説だ。一般に知られる聖杯は、イエス・キリストが最後の晩餐で用いた杯、あるいは十字架上でその血を受けた杯とされるが、ミスターカーはこれを「血統」として解釈する。つまり、マグダラのマリアとイエスの子孫の血統こそが真の聖杯であり、騎士団はその秘密を護るために存在したというのだ。この理論は、ダン・ブラウンの小説『ダ・ヴィンチ・コード』と似ているが、ミスターカーはさらに一歩進んで、騎士団の紋章や建築物に隠された記号がこの血統を示していると指摘する。最強の理由は、この伝説が今なお世界中の人々を魅了し続け、騎士団の名を不朽のものにしている点にある。
2位:中世最強の金融ネットワークの構築者
テンプル騎士団は、現代の銀行システムの原型を作ったと言われる。巡礼者が強盗に遭うのを防ぐため、ヨーロッパで預けた金をエルサレムで引き出せる小切手のような仕組みを導入したのだ。ミスターカーは、この金融システムがあまりにも先進的すぎたために、王や教会から恐れられたと主張する。騎士団は免税特権を持ち、莫大な寄進を受けていたため、フランス王の巨額の借金返済を拒否したことが弾圧の直接的な引き金になったという見方は定説だが、ミスターカーは「騎士団が握っていた金融の秘密が、現代の国際金融にもつながっている」とまで言い切る。この経済力の強大さが、ランキング2位の理由だ。
3位:ソロモンの神殿の秘宝を発見した探検家集団
騎士団の本拠地はエルサレムのソロモンの神殿の跡地に置かれた。彼らはそこで9年間にわたり発掘作業を行っていたと言われている。ミスターカーは、この発掘で「契約の箱(アーク)」やソロモンの財宝、あるいは失われた知識の巻物を発見した可能性を強調する。特に契約の箱は、旧約聖書で神の力が宿る最強の遺物とされ、それを手に入れた騎士団は無敵だったという説だ。実際に騎士団が急激に富強になった理由として、この秘宝発見説は根強い支持を得ている。
4位:フリーメイソンやイルミナティの源流
テンプル騎士団が壊滅した後も、一部の騎士が地下に潜伏し、後の秘密結社に影響を与えたという理論は有名だ。ミスターカーは特に、騎士団の象徴(赤い十字、二人の騎士が一頭の馬に乗る印など)がフリーメイソンの儀式やシンボルにそのまま受け継がれている点を挙げ、両者の連続性を強く主張する。さらに、一部の高位騎士がスコットランドやポルトガルに逃れ、そこから現代の秘密結社へとつながったと見ている。この「生き残り伝説」の影響力は、現代の陰謀論文化において絶大だ。
5位:戦場での無敵の騎士集団
純粋な軍事力で見ても、テンプル騎士団は当時最強クラスの戦闘集団だった。厳格な規律と信仰心、そして重装騎兵としての訓練により、十字軍の戦いで数々の勝利を収めた。特に1191年のアルスフの戦いでは、サラディン軍を圧倒した記録が残っている。ミスターカーは、騎士団の戦闘力が「神秘的な力」によるものだった可能性も指摘するが、歴史的事実としても、彼らは少数で大軍を撃破する戦術に長けていた。この実戦での強さが、ランキング入りする最後の理由だ。
ミスターカーの考察は、史料に基づいたものと大胆な推論が混在しているため、賛否両論を呼んでいる。しかし、テンプル騎士団の魅力は、まさにこの「解けない謎」の部分にある。聖杯はどこへ消えたのか、秘宝は本当に存在したのか、そして騎士団の遺産は今どこに受け継がれているのか――。ミスターカーのような探求者が現れる限り、テンプル騎士団の伝説は永遠に最強の座を守り続けるだろう。
