ランボーシリーズ 最強ランキング
ジョン・ランボー。ベトナム戦争帰還兵として描かれた不屈のサバイバルマシン。その戦闘能力、精神力、適応力は映画史に残る伝説だ。シルベスター・スタローンが演じるこの男は、シリーズごとに異なる環境で異なる敵と戦い、そのたびに「最強」の姿を見せつけてきた。
ここでは、劇場公開された5作品に登場するランボーの強さを純粋に比較し、最強ランキング形式で紹介する。あくまで戦闘力、殺傷能力、耐久力、精神的なタフネス、戦果を総合的に判断した主観的ランキングだ。
第5位:ランボー5 ラスト・ブラッド(2019)
シリーズ最終作にして、最も人間的で最も弱いランボーと言わざるを得ない。歳を取った体は明らかに衰えており、素手での格闘戦では若い敵に苦戦する場面が目立つ。ホームグラウンドであるアリゾナの牧場と地下トンネルを活かした罠と仕掛けの戦いがメインで、純粋な戦闘力では過去のランボーに遠く及ばない。
しかし、復讐に燃える冷徹さと、敵を一人残らず惨殺する執念は健在だ。ブービートラップの巧妙さと残虐性はシリーズ屈指だが、身体能力の低下は隠しようがない。最も「人間らしい」ランボーであり、同時に最も「最強」からは遠い姿だった。
第4位:ランボー(1982)
記念すべき初登場作。引きこもる山奥で警察と対峙するランボーは、まだ「怒りの復員兵」の域を出ていない。銃火器はほとんど使わず、ナイフと弓矢、そして自然を武器に戦う。警察署から単身脱出するシーンや、崖からのダイブなど、驚異的なサバイバル能力を見せるが、敵は所詮は田舎の保安官たちだ。
殺傷数は極めて少ない。誰も殺さない(少なくとも意図的に)という自制心が逆に強さを制限している印象を受ける。精神的な脆さも露わで、トラウマに苛まれる姿が痛々しい。この時点のランボーは、まだ本当の怪物にはなっていなかった。
第3位:ランボー 怒りの脱出(1985)
ベトナムに再び足を踏み入れ、元上官トラウトマンと共に捕虜救出作戦に挑む。ソ連軍とベトナム軍を相手に、弓矢とナイフで無双する姿はまさに伝説の始まりだ。特にヘリを爆発弓で撃墜するシーンはシリーズの象徴と言える。
しかし、この作品のランボーはまだ「一人で全てを背負う」覚悟が不足している。トラウトマンに助けを求める場面もあり、精神的な自立は完全ではない。殺傷数は大幅に増えるが、敵の質も高いため、圧倒的というほどではない。それでも、ジャングル戦における適応力は後年の作品に引けを取らない。
第2位:ランボー3(1988)
アフガニスタンでソ連軍を単身で壊滅させる、まさに最強伝説の頂点に近いランボー。敵は正規軍、装備はヘリ、戦車、大量の兵士。それらをほぼ素手(と少しの爆薬)で粉砕する戦果は異常としか言いようがない。
特に終盤の馬上戦や、腹を裂かれながらも戦い続ける耐久力は人間の域を超えている。トラウトマンを救うためなら国家すら敵に回す覚悟が完成しており、精神的な強さも頂点に近い。唯一の欠点は、敵の数が多すぎて「一人で全てを終わらせる」には至らなかった点だが、純粋な戦闘力ではシリーズ最高クラスだ。
第1位:ランボー 最後の戦場(2008)
22年ぶりの復活作にして、間違いなく最強のランボー。ミャンマー(ビルマ)の内戦地帯で、傭兵たちと共に宣教師救出に向かうが、最終的には単身で軍隊を壊滅させる。
この作品のランボーは完全に覚醒している。感情を殺し、目的のためだけに生きる殺人マシンと化している。特に終盤の機関銃乱射シーンは、シリーズ史上最も圧倒的な破壊力を見せつける。敵の将軍を素手で内臓を引きちぎる残虐性、老いた体とは思えぬ機動力、そして何よりも「もう何も怖くない」という精神の絶対的な強さ。
殺傷数はシリーズ最多、敵の質も高い、それでいて一切の躊躇がない。トラウトマンも宣教師も必要ない。一人で全てを終わらせる。このランボーに対抗できる存在は、この世に存在しない。
これがランボーの最強ランキングだ。歳を取り、場所が変わり、敵が変わっても、彼の本質は変わらない。一度戦いを始めれば、決して止まらない不屈の戦士。それがジョン・ランボーという男の真実である。
